正月は、日本を代表する行事です。おせち料理を食べたり、初詣(はつもうで)に行ったり、年賀状を送ったりと、さまざまな行事や風習があります。しかし、正月の意味や由来を知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、正月の意味や由来について、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事を読んでいただくメリット
・正月の意味や由来を理解することができる
・正月に関する知識を身につけることができる
・正月の行事や風習に参加する際の参考にすることができる
正月の意味
正月は、旧暦の12月末から翌年の1月初旬にかけての期間をさします。新年の始まりを祝う行事であり、古くから日本ではさまざまな行事や風習が行われてきました。
正月の意味は、大きく分けて以下の2つが挙げられます。
新年の始まりを祝う
正月は、旧暦の12月末から翌年の1月初旬にかけての期間を指します。そのため、正月は、旧年の終わりと新年の始まりを祝う行事であると言えます。
邪気を払い、新しい年を迎える
正月には、大掃除や門松(かどまつ)、注連縄(しめ縄)など、さまざまな行事や風習があります。これらの行事や風習は、邪気を払い、新しい年を迎えるためのものであると考えられています。
正月の由来
正月の由来は、古代日本にまでさかのぼります。古代日本では、1月1日は、太陽が生まれ変わる日と考えられていました。そのため、正月は、太陽の誕生を祝う行事として行われていたと考えられます。
また、正月は、旧年の終わりと新年の始まりを祝う行事として行われていました。そのため、正月には、さまざまな行事や風習が生まれ、今日に至っています。
正月の行事や風習
正月には、さまざまな行事や風習があります。代表的なものを以下に挙げます。
大掃除
大掃除は、正月前に家中の汚れを落とし、新しい年を迎える準備をする行事です。
大掃除の由来
大掃除の由来は、平安時代にまで遡ります。当時の宮中では、12月に「煤払い(すすはらい)」と呼ばれる行事が行われていました。これは、1年間に溜まった煤(すす)やホコリを落として、新年を迎える準備をするというものでした。
この煤払い(すすはらい)が、民間にも広まって大掃除が定着したと考えられています。
大掃除の意味
大掃除には、大きく分けて2つの意味があります。
1つは、※歳神様(としがみさま・としこしさま)をお迎えする準備をするという意味です。歳神様は、新年に家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされています。そのため、年末に家をきれいにすることで、歳神様を迎え入れる準備をするのです。
※歳神様(としがみさま)は、日本神話に登場する神様で、正月になると家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされていて、穀物神や山の神、先祖の霊などのさまざまな神様が習合したものと考えられています。古代日本では、農耕が盛んだったことから、豊作を祈願する神様として信仰されていました。
2つ目は、1年の汚れを落とすという意味です。1年間の生活で、家の中にはさまざまな汚れが溜まります。大掃除によって、これらの汚れを落とすことで、気持ちよく新年を迎えることができます。
門松(かどまつ)
門松は、正月飾りのひとつで、家の門や玄関前に飾られるもので、邪気を払い、福を呼び込むと言われています。
門松の由来
門松の由来は、平安時代にまでさかのぼります。当時の宮中(きゅうちゅう:天皇や皇族が住む場所)では、年末に「小松引き」と呼ばれる行事が行われていました。これは、長寿を祈願するために、松の木を引き抜いて宮中に持ち帰るものでした。この小松引きが、民間にも広まって門松が定着したと考えられています。
門松の意味
門松には、大きく分けて2つの意味があります。
1つは、歳神様をお迎えする目印としての意味です。歳神様は、新年に家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされています。そのため、松の緑が目につくように門松を飾ることで、歳神様が家を見つけやすくするのです。
2つ目は、邪気を払う意味です。松、竹、梅はいずれも縁起の良い植物とされ、邪気を払う効果があるとされています。そのため、門松を飾ることで、歳神様をお迎えするとともに、邪気を払うという効果が期待できます。
注連縄(しめ縄)
注連縄は、家の玄関先に飾られるものです。藁(わら)や麻(あさ)で作られた縄に、紙垂(しで)やしめ飾りを飾ったもので、歳神様(としがみさま)をお迎えするための結界とされています。
注連縄(しめ縄)の由来
注連縄(しめ縄)の由来は、古代にまでさかのぼります。当時、神社や御神木(ごしんぼく)に縄が張られていたことから、それが注連縄の起源と考えられています。
また、稲作の際に、神様を田んぼに招き入れるために、縄を張ったことが注連縄の始まりという説もあります。
注連縄(しめ縄)の意味
注連縄には、大きく分けて2つの意味があります。
1つは、歳神様(としがみさま)をお迎えするための結界としての意味です。歳神様は、新年に家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされています。そのため、注連縄を飾ることで、歳神様が家の中に入りやすいようにするのです。
2つ目は、邪気を払う意味です。藁(わら)や麻(あさ)は、邪気を祓う力があるとされています。そのため、注連縄を飾ることで、歳神様をお迎えするとともに、邪気を払うという効果が期待できます。
鏡餅(かがみもち)
鏡餅は、正月に飾る餅です。鏡餅は、正月の正月飾りの一つで、大小2つの丸い餅を重ねたものを指します。鏡餅の形は、天と地を表しており、豊作や家内安全を願って飾られます。
上に橙(だいだい:ミカンの種類)を載せたものもよく見られます。
鏡餅の由来
鏡餅の由来は、古代にまでさかのぼります。当時、神社や御神木に鏡をまつる習慣があり、それが鏡餅の起源と考えられています。また、稲作の際に、神様を田んぼに招き入れるために、※鏡を置いたことが鏡餅の始まりという説もあります。
※鏡は、神様が宿る場所であると考えられていました。そのため、鏡を田んぼに置くことで、神様が田んぼの中に住み着いてくれると考えられていたのです。
鏡餅の意味
鏡餅の意味は、大きく分けて2つあります。
1つは、歳神様をお迎えするための※依り代(よりしろ)としての意味です。歳神様は、新年に家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされています。そのため、鏡餅は、歳神様が宿る場所であると考えられてました。
※依り代(よりしろ)とは、神や霊が宿る場所や物のことを指します。神道においては、神や霊は、人間には見えない存在であると考えられています。そのため、神や霊が宿る場所や物として、石や木、鏡、人形などが用いられます。
2つ目は、一年の繁栄や幸福を祈願するという意味です。鏡餅の丸い形は、円満や調和を表しており、一年の繁栄や幸福を祈願する意味が込められています。
おせち料理
おせち料理は、正月に食べる料理のことです。おめでたい食べ物が詰め込まれており、新年の始まりを祝うものです。
おせち料理の由来
おせち料理の由来は、古代日本の節句(せちく)にまでさかのぼります。節句とは、季節の変わり目に行われていたお祝いごとのことで、おせち料理は、その際に神様にお供えされていた料理が元になったと考えられています。
おせち料理の意味
おせち料理には、大きく分けて2つの意味があります。
1つは、歳神様(としがみさま)をお迎えするという意味です。歳神様は、新年に家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされています。そのため、おせち料理は、歳神様をお迎えするためのお供え物として、大切にされています。
2つ目は、一年の幸せを祈願するという意味です。おせち料理の食材やメニューには、それぞれ五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄などの願いが込められています。そのため、おせち料理を食べることで、一年の幸せを祈願するという意味があります。
初詣(はつもうで)
初詣は、年が明けてから初めて神社やお寺に参拝することです。日本では、正月三が日(1月1日〜1月3日)の間に初詣に行くのが一般的です。新年の始まりを神様に報告し、一年の無事と幸せを願う行事です。
初詣の由来
初詣の由来は、古代日本の神道の儀式である「新年奉告(しんねんほうこく)」にまでさかのぼります。新年奉告とは、新年の初めに神様に今年の豊作や五穀豊穣を祈願する儀式です。
初詣の意味
初詣の意味は、大きく分けて2つあります。
1つは、歳神様(としがみさま)をお迎えするという意味です。歳神様は、新年に家々を訪れて、福を授けてくれる神様とされています。そのため、初詣は、歳神様をお迎えして、一年の幸せを祈願するための大切な行事です。
2つ目は、一年の感謝を捧げるという意味です。一年を無事に過ごせた感謝の気持ちを神様に伝え、今年も健康で幸せに過ごせるようにお願いするという意味があります。
まとめ
正月は、日本を代表する行事です。正月には、大掃除、門松、注連縄、鏡餅、おせち料理、初詣などのさまざまな行事や風習があります。これらの行事や風習には、それぞれ意味や由来があり、日本古来の伝統文化を今に伝えています。
正月の意味は、大きく分けて以下の2つです。
・新年の始まりを祝う
・邪気を払い、新しい年を迎える
正月の行事や風習は、現代でも多くの人々に親しまれています。正月の意味や由来を理解して、正月をより深く楽しんでみてはいかがでしょうか。
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